人はなぜ、夢を追い求めようとするのでしょうか。
きっと、そのほうが「楽しい」からです。一度きりの人生を、悔いなく生きたいからに、違いありません。
人生をより豊かに、楽しむために、人は夢を抱き、希望をもって努力するのだといえます。
あなたはきっと、そのことを誰よりも十分、よくわかっているのでしょう。
だからこそ、自分が「夢も希望もない」と思ってしまっていることを悲観し、思い悩んでいるのではありませんか?
「夢も希望もない」ということは、それは言い換えれば、「なんの楽しみもない」ということです。
もしかしたらあなたは、自分でも気づかないうちに、大きな「虚無感」の中に落ちてしまっているのかもしれません。
どうすれば、その「虚無感」から抜け出すことができるのか……一緒に、考えていきましょう。
40代は心の不安定な時期。「夢も希望もない」その虚無感はどこからくるのか
女性にとって40代という年齢は、いろんな変化が起きてくる時期です。
女性ホルモンの減少によって疲れやすくなったり、イライラしたり、自律神経が乱れ、気持ちも不安定になりがちです。
めまいや動悸、頭痛に肩こり、さまざまな不調に悩まされる人も多いでしょう。
身体的な面だけではありません。子育てからの卒業・子供の自立、親の老化や介護問題、職場での地位変化など、自分を取り巻く環境の変化も同時にでてきます。
「変化」は言うならば、「ストレス」です。
ちょっと前までは、夢も希望もたくさんもっていたはずなのに、40代に入ってからいつの間にか、「夢も希望もない」と、あなたがそう思うようになってしまったのなら、この「ストレス」が少なからず関係しているかもしれません。
あなたは今、耐え難いほどの大きな「虚無感」の中にいるのではないでしょうか?
さまざまなストレスを抱えていると、自分が隠し持っていた「暗い感情」が、とてつもないほどの大きな「虚無感」となって、重くのしかかってくることがあります。
その「暗い感情」とは、なんでしょう。それは人それぞれ、もちろん異なります。
自分の子供をもつことができなかった「悲しみ」かもしれません。
かけがえのない存在を失った「喪失感」かもしれません。
信頼できる友人や恋人がいない「孤独感」かもしれません。
そうではなく、もっと根本的な、自分という人間への「嫌悪感」だという人もいるでしょう。
どんな人でも程度の差はあれ、この「暗い感情」という部分はあるものですが、ストレスを受けることによって、
心の奥にしまっておけたはずの「暗い感情」が、大きな「虚無感」へと変わってしまうことがあります。
そうなると、すべてが無意味に思えます。何もする気になどなれません。
「本当に欲しかったものが、もう決して手に入らない。」
「何をどんなに頑張っても、失ったものはかえってこない。」
「どうせ、独りなのだ。何をやっても自分はダメなのだ……」
気持ちはどんどん、落ち込んでいきます。それは、沼の底に沈んでいくような苦しみです。
虚無感から抜け出すには・・・
どうやったら、この鉛のように重たい虚無感から、人は抜け出すことができるのでしょうか。
一度生まれた虚無感を、完全に拭い去るのは、難しいかもしれません。
けれど、ひとつだけ言いたいことがあります。それは、「決して、思い詰めてはいけない」ということです。
人は思い悩めば悩むほど、その意識は、自分の内へ内へと向かっていきます。
自分という人間の暗い部分にばかり目を向けてしまい、それ以外、何も見えなくなってしまうのです。
理想と現実の差を嘆き、どうして自分はこうなんだと、何もかも否定し、そして、自らを絶望へと導いていきます。
これは、非常に危険な思考回路です。
「夢も希望もない」そう思っている自分を、決して否定したり、責めたりしてはいけません。
むしろ、そういう心の状態にある自分を、いたわってあげるべきです。
女性にとって40代という年齢は、心身ともにとても不安定な時期であるということを、認識してください。
大切なのは、自分の内側にばかり向いてしまっている目を、「外へ」と向けることです。
自分の置かれている今の環境が、この世のすべてではありません。
自分の知らない世界が、ほかにいくらでもあることを思い出してください。
この世は、知らないことだらけ。未知にあふれています。
それなのに、ほかの世界を知ろうともしないまま、自分の中だけに閉じこもってしまうのは、あまりにももったいないことだと思いませんか?
虚無感に埋もれてしまっては、いけません。
心の目を、外へ外へと、向けてみるのです。
つまらないと思っても、興味がなくても、あきらめずに、いろんな世界に目を向けつづけてください。
自分の意識を「外へ」と向けていくことを忘れなければ、たとえ今は何もする気になれなくても、いつかきっと、自分の心に「さざ波」の立つときがきます。
それは大抵、ひょんなことからです。たまたま観たドラマに感動したり、人に勧められた本にハッとさせられたり、時間つぶしに行った美術館の絵に衝撃を受けたり……。
一滴のしずくが、微動だにしなかった池の水面に、大きな波紋を描くことがあるように、
人の心を動かすのは、ほんの些細な、小さなことである場合が、いくらでもあります。
もしも思いがけず心動かされたなら、その瞬間を、決して逃さないことです。
心で感じることを、忘れてはいけません。
もっと知りたい、やってみたい。楽しい!そう思えたなら、それが「夢」へとつながっていきます。
夢見ることは、虚しいことなどではありません。
たとえ叶わぬ夢でも、夢見ることは、それだけで、「楽しいこと」なのです。
虚無感とうまくつきあっていこう!
虚無感や孤独を抱えながら生きていくことは、苦しいことです。
自分の弱さを、その苦しみのすべてを、包み隠さず誰かに打ち明けることができたなら、少しは楽になれるかもしれません。
けれど、「何もかも話す」ということが、自分にはどうしても絶対にできないのだ、という人もいるでしょう。
話せる相手がいない、誰にも話したくない。そうであるならば、他の方法で、自分の苦しみを吐き出さなければいけません。そうでなければ、自分が壊れてしまいます。
言葉にして日記を綴ることでもいい。絵を描くことでもいい。ただ一人、大声で歌いまくってもいい。
「心のバランス」を保つ方法を、「自分なり」にみつけていくことが、虚無感や孤独とうまくつきあっていくコツです。
さいごに
夢がもてないからと、悲観的になる必要などありません。
なにも、大それた夢をもつことばかりが、「夢」ではないのです。
日々の暮らしの中には、たくさんの楽しみが隠れています。
おいしいものを食べること、ふかふかの布団でぐっすり眠ること、季節の移り変わりに気づくこと。
どれもちっぽけなことだと思うかもしれません。
けれど、何気ない日常の中に、小さな「楽しみ」を見出していくことこそ、人生をより豊かなものにするために、大切にしていかなければならないのです。
自分をあきらめないでください。あきらめない限り、可能性は決して、なくなりません。
「人生、捨てたもんじゃない。」そう思えるときが、きっとくるはずです。