水筒愛用者にとって一番気がかりな問題。それはずばり、ゴムパッキンの「ニオイ」でしょう!
ゴム臭い、かび臭い、コーヒー臭い、漂白剤臭い…… などなど、いろんな「臭い」を引き起こすゴムパッキンですが、そのニオイを消すにはどうしたらいいのでしょうか?
そこで今回は、【イラストつき】水筒のゴムの臭いを消す方法!しつこい汚れも綺麗に!ということで、「重曹」と「酸素系漂白剤」という2つのアイテムに注目し、水筒を清潔に使っていくための正しいお手入れ方法について、イラストと一緒にご紹介します。
水筒のゴムパッキンが臭い! そんなときは安心安全の「重曹」で!洗い方は?
嫌なニオイがしみついてしまったら、まずお勧めしたいのが、重曹水を使った「振り洗い」です。
その理由は、洗浄力と安全性がともに高い、という点にあります。
重曹とは?
- 重炭酸曹達(ソーダ)の略で、「炭酸水素ナトリウム」のこと。
- 水に溶かした際の液性は弱アルカリ性で、酸性の汚れやニオイを中和させて分解し、除去する力をもちます。
- もともと自然界に存在する物質で、食品の膨張剤としても使用されるほど、人体への安全性は高いとされています。
- 水に溶けにくいため研磨剤としても使用されます。粒子が非常に細かくやわらかで、傷をつけにくいことが特徴。
- 重曹水を加熱したり、酢のような酸性の液体を混ぜると、炭酸ガスが出て発泡します。
この反応により、重曹のアルカリ度と洗浄力は、ぐっと上がります。
▶ 用意するもの
- しっかり密閉できる容器(スクリュータイプのタッパーがお勧め)
- ぬるま湯(50度くらい)
- 重曹(粉)
- 軽量カップ
- ザル
- ゴム手袋や使い捨てのビニール手袋
※重曹はその純度によって、「医薬品用」「食用」「工業用」の3つのグレードがあります。
水筒の洗浄に使うなら、「食用」のものを選ぶと、より安心でしょう。
※ちょうどいい容器がない場合は、厚みのある丈夫なビニール袋などで代用してみてください。
▶ 洗う手順
① 容器にぬるま湯を3分の2くらい入れ、重曹を加えてよく溶かします。
※「ぬるま湯100ml」に対し「重曹 小さじ1」が目安です。(入れすぎると溶けきれなくなるので注意!)
② 中栓とゴムパッキンを分解し、重曹水の中に10~20分ほど浸します。
(分解できるパーツはすべてバラバラにして入れること!)
③ ふたをしっかりしめて、ジャバジャバと振りましょう。※重曹水がこぼれないよう注意してください。
④ 重曹水を捨てて、よく洗い流します。
(細かい溝に汚れが残っている場合は、綿棒や爪楊枝などを使ってほじくりだすとよいです)
⑤ 軽く振って水気を飛ばし、清潔なキッチンペーパーの上などでしっかり乾燥させます。
- 重曹は熱によって分解されるため、重曹を溶かすお湯の温度が高いほど、アルカリ度が高まります。
- そのぶん洗浄効果も上がりますが、同時に肌への刺激も強くなりますので注意してください。
- 素手で長時間触れると肌が荒れる場合もありますので、ゴム手袋をして作業をすると安心です。
頑固な汚れには「粉末タイプの酸素系漂白剤」で!洗い方は?
重曹水を使ってもニオイや汚れがとれない場合は、酸素系漂白剤の希釈液に「浸け置き」します。
塩素系とは異なり刺激臭がないため、漂白剤が苦手な人でも使いやすいです。
粉末タイプの酸素系漂白剤とは?
- 「過炭酸ナトリウム」を主成分とした漂白剤のこと。
※酸素系漂白剤には粉末タイプと液体タイプがありますが、水筒を洗うのに適しているのは「過炭酸ナトリウム100%の粉末タイプ」です。 - 水に溶けると活性酸素を発生させ(発泡)、その酸化作用で汚れを分解して取り除きます。
- 塩素系とは異なり有害な塩素ガスを発生させないため、刺激臭はありません。有害物質を残さないため、人にも環境にもやさしい、大変使い勝手のよい漂白剤といえます。
- 重曹よりも洗浄力が高い。弱アルカリ性。
- 酸素系漂白剤 ※過炭酸ナトリウム100%の粉末タイプを使用します。
- 浸け置きするための容器(金属製のものは不可)
- ぬるま湯(50度くらい)
※水では本来の洗浄効果が発揮されません。適した温度で溶かすことが重要です。 - 軽量カップ
- ザル
- ゴム手袋や使い捨てのビニール手袋
① 容器にぬるま湯を入れます。
酸素系漂白剤を「規定量」加え、かき混ぜて溶かします。
※「規定量(希釈率)」は、使用する漂白剤のパッケージを見て確認してください。
② 中栓とゴムパッキンを分解し、溶液の中に入れ、30分ほど浸け置きします。
※浸け過ぎるとパッキンを傷めてしまいます。「30分程度を限度」としましょう。
(ゴムパッキンが浮いてくる場合は、キッチンペーパーを上にのせて一緒に浸すとよいです)
注意事項
- 浸け置きしている間、ふたをしないこと! 酸素系漂白剤は水に溶けると酸素の泡を発生させます。
液体の入った容器を密閉すると内圧が高まり、容器が破損するなどして危険です。
漂白剤自体を保管する際も、密閉しないようにしましょう。
(もともと、酸素系漂白剤のパッケージには、ガス抜きの小さな穴があいています) - こちらも弱アルカリ性ですので、素手で触ったり、目に入れたりしないよう注意してください。
- 塩素系の漂白剤は厳禁です!ゴムパッキンに塩素臭がついてしまいます。塩素イオンがステンレスを腐食させ、サビの原因にもなります。
水筒の本体内部を綺麗にしたいときは、どうすればいい?
水筒の8分目くらいまで「ぬるま湯」を入れ、そこへ重曹、もしくは酸素系漂白剤を入れます。
その後の工程は、中栓やゴムパッキンを洗う際と同じです。
「重曹」で水筒の本体内部を綺麗にする方法
「酸素系漂白剤」で水筒の本体内部を綺麗にする方法
水筒の本体内部を綺麗にするときの注意事項
- 誤飲事故に注意!
浸け置きしている間、他の人が誤って飲んだり、さわったりしないように、注意を促す貼り紙をしておきましょう。
「洗浄中!さわるな!」など、大きな文字でわかりやすく! - 溶液はいずれも発泡性があるため、ふたをしないこと!ふたをすると内圧が高まり、ふたがとぶなどして危険です。
- ステンレス製の水筒を洗う場合、本体ごと液体の中に浸け置きしてはいけません。
ステンレス製の水筒は二重構造をしているため、長時間水の中に浸け置きすると、内壁と外壁の間に水が入ってしまう恐れがあります。コップがついている場合は、コップの浸け置きも控えましょう。
ほとんどのステンレス製水筒は、煮沸・食器用洗浄機の使用・食器用乾燥機の使用を禁止しています。
使用している水筒の説明書をよく読んで、正しい洗い方をもう一度しっかり確認しておきましょう。
水筒の日ごろのお手入れは? 洗い方の基本は4つ!
水筒を清潔に使っていくためには、日ごろのお手入れが何よりも大切です。
臭くなってから念入りに洗うのではなく、臭くならないように、「洗い方の基本」をしっかり理解しておきましょう。
洗い方の基本!4つのポイント
- 使ったらその日のうちに食器用洗剤を使ってきちんと洗う。
- 中栓やパッキン、飲み口、ストローなど、分解できる部分はすべて取り外して、一つ一つ洗う。
- すすぎは水よりお湯で! 水切れがよくなります。
- 水分が残らないよう、風通しのよい状態でしっかり乾燥させる。
(ふきんで拭くのは、雑菌が移る可能性があるため、避けたほうがよいでしょう)
さいごに
水筒のゴムパッキンは、ゴムという性質上、ニオイがしみつきやすく、一度ついたニオイはなかなかとれません。
基本の洗い方を日々心がけながら、週に一度程度を目安に重曹水で洗ってあげるのが効果的です。
一方、酸素系漂白剤については、重曹では汚れがとれないような「頑固な汚れ」に対して使用するようにしましょう。
酸素系漂白剤の使い過ぎは、ゴムパッキンの消耗を早めてしまいますので注意してください。